デイズ オブ ザ ストレンジ

Produced and Directed by テイラー・スティール
Filmed by カイ・ネヴァイル& イワン・タンジュン
Edited by カイ・ネヴァイル
Surfers:クレイ・マーゾ、ジュリアン・ウィルソン、デーン・レイノルズ、ディオン・アグウィス、ジョディ・スミス、ショーン・キャンスデル、アンディ・アイアンズ、シェーン・ドリアン、タジ・バロウ、CJ・ホブグッド、ケリー・スレーター、他。
Music: Tame Impala, bumblebeez, Van She, LadyHawke, We Have A Band, Cut Copy、他

まず、最近筆者は何かのアーティクルで自分は飛んだり跳ねたり同じようなマニューバーが繰り返されるようなミュージックビデオのようなサーフ・フィルムは好きじゃないと言ったと思う。そして今まさにその発言を取り消したいのだが、この好みの変化の理由が単純に筆者がテイラー・スティールのファンであるという事ではないと、先に言っておこう。同様に、ウォーレン・ミラー・フィルム時代のように、ビッグネームたちが繰り広げる馬鹿げた寸劇などにうんざりしているからでもない。そしてテイラーがそれらと関わらないでほしいと強く思っている。

さて、今回の“ミュージックビデオ”はいい感じだ。
“デイズ オブ ザ ストレンジ”に収録されてる楽曲はノリのいいものばかりで、実際筆者はフィルムを見終わったあと20分くらいかけて、エンドロールを一時停止したりしながら、バンドや曲名をチェックした。今作は最初のチャプターである"Days of Archipelago/デイズ オブ アーカペラグ"から飛ばし気味で、口をあんぐりあけて見入ってしまうようなアクションの連発である。そして実際、筆者はそんな感じでしばらくこの映像を眺めていたと思う。過去数年で、サーフィンのスキルやテクニックのレベルが飛躍的にあがっていくのをこの目で、またはDVDなどを介して視てきたが、この“デイズ オブ ザ ストレンジ”に収録されている映像は、他のDVDに比べてショッキングなほどに革命的なマニューバーを映し出している。


今作にみられるシークエンスの多くは、前作"Stranger Than Fiction"のアウト・テイクである。前作において収録漏れしたこれらの映像が、ついに日の下にさらされたわけだ。多分、テイラーがこれらのフッテージをもう一度チェックして、音楽やらグラフィックやらを加えて私たちに送り届けるべきものだと考えたのだろう。このDVDに焼き付けられたマニューバーの数々は、サーフィンのスタイルやテクニックがその時代や世代によっていかに大きく変わってきたかということを私たちに示す、言ってみれば編年史のように考えてもいいのではないか。ピート・メンディアは彼の世代にとってスタイルのゴッドファーザー的な存在だし、シェーン・ドリアンは間違いなく殿堂入りのサーファーだ。だが、彼らはまたある意味、「古いサーフィン」の定義となってしまうのである。ニュー・ジェネレーションの見解からすると、パワフルなカービングやソリッドなチューブライディングなどですら、みている最中につい居眠りしてしまうようなものなのかもしれない。

Days of the Strange Teaser from Re:Cal Mag on Vimeo.


彼らが描くムーブメントは、すでに筆者からしてみればなんと呼んでいいのか分からないものになっている。
実際、テイラーに会って彼らのマニューバーにどんな名前をつければいいのか相談しなければならないような気もするし、もしくはオーシャンサイドのビーチでキレキレのサーフィンをしているグロムたちとこのDVDを観ながら「君だったらどんな名前にする?」なんて聞くべきか、などとも思っている。出だしのシークエンスにみられるクレイ・マーゾの驚異的なマニューバーは、筆者のハック・ア・フロス系のミュージックビデオに対する嫌悪やら軽蔑を吹き飛ばすには十分すぎるものだった。なんというか説明しにくいし、その上今回の説明のために名前をつけてしまったのだが、クレイはまず特に形容しずらかったフローティング・リバース・テールスライドをして波のポケットへまた戻りハック・リーディングをしてからフィンを抜いたリップをし360・ロッカー・スライドを決めて何事もなかったかようにそのまま波に乗り続けた。伝わっただろうか。また次に登場するアンディ・アイアンズは、彼の十八番である驚異的なパワー・サーフィンを披露しているし、リー・ウィルソンは多分エアー・540くらいを決めていた。ジュリアン・ウィルソンはラウンドハウスカットバック・ノーズキック360をしていた。今回は伝わっただろうか。これらが、はじめのチャプターに収録されている。彼らがそのマニューバーを試したのは浅くて危険な、しかも時として実際にかなり深刻な結果を彼らにもたらしたはずの、ロックやリーフの上だ。しかしそんなリスクも関係なしに、一体どうすればこんなクレイジーなマニューバーを彼らがひらめいて更にそれらを実現できたのか、何度もこのDVDを見返して解明しようとするのも面白いのではないか。

とりあえず、このDVDを手にいれてみよう。そして友達を大勢呼んでパーティを開き、ソファーの取り合いをしながらリプレイを繰り返そう。


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